カットイン大富豪のすゝめ。三章
この記事は一章(http://kokec.hatenablog.jp/entry/Daifu/first)
及び二章(http://kokec.hatenablog.jp/entry/Daifu/second)
の続きですが、このページを見ればルールが理解できることを目指して書いています。
カットイン大富豪
・準備するもの
トランプ2セット(できれば裏面の違うもの)
・推奨人数
4〜8人
・追加ルール
カットイン:場のカードと同じカードを全て持っていたら、順番に関わらずそれらを場に出せる。カットインされた人は役の効果を消される。出せそうな場合は宣言をする。キャンセルによるデメリットはない。
公開札:なんらかの形で公開されてしまったカードは、手札に戻さず公開し続ける。場に出す際に制限はない。
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自前用語
フェイズ:はじめにカードを出してから場が流れる間
ターン:各プレイヤーがカードを出すかパスをする間、カットインも1ターンとカウントする
場にあるカード:フェイズの始まりから終わりまでに使用したカード
捨て札:過去フェイズに使用されたカード
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・基本ルール
JOKER:2よりも強いカード、もしくはスート・ランクを宣言し、そのカードとして扱うことができる。後者によりカットインに用いても良い。
革命:1ターン中に4枚以上のカードが出されたとき、ランク(数字)の強さが入れ替わる。
しばり:同じスート(マーク)が続いたとき、そのスートしか出せなくなる。連続したランクが続いたとき、1つ上のランクしか出せなくなる。それぞれは重複するが、シークエンスのランク縛りは発生しない。片縛り、両縛りを認める。
複数出し:同じランクのペア・スリーカードや、同じスートで3枚以上連続したランクのシークエンスを出せる。シークエンスの強さは最強どうしで比べる。
都落ち:大富豪だったプレイヤーが1位上がりにならなかった場合、次のゲームで大貧民となる。ゲームを続けるかどうかは任意。続かないことを選んだ時点で手札は公開札となる。
反則あがり:最強札、JOKERでのあがりは反則となり、都落ちよりも下の順位となる。
パス:自分のターンにカードを出せない、出したくない場合にパスすることができる。同フェイズ中でも、再びターンが回ってきた場合でも、カードを出すことができる。
・ゲームの流れ(1ゲーム目)
カードを均等に配ります。
3♦︎ (の、あらかじめ決めておく背面)を持っているプレイヤーはそれを公開札とし、ファーストプレイヤーとなる。
上位を大富豪、富豪、下位を大貧民、貧民とする。
用いる役
3:JOKERに勝てる♠︎3
5:2n番目のプレイヤーがターンプレイヤーになる。ただし1周以上でフェイズ終了、カットイン優先
8:8切り、カットイン優先
9:奇数枚でリバース、回る方向が逆になる。
J:そのフェイズに限り革命化
(2ゲーム目)
カードを均等に配ります。
大貧民(貧民)はJOKERを除いた最強札2枚(1枚)を選びます。大富豪(富豪)は適当な札を2枚(1枚)選び、それを大貧民(貧民)と交換します。
大貧民がファーストプレイヤーです。
追加する役
4:偶数枚orカットインで8切り。カットイン優先。
7:枚数分手札(公開札は×)から次プレイヤーに押しつけ。カットインは受け手に2倍押しつけ。
(9):2人の場合8切り。
10:枚数分手札・公開札から捨て札に。カットインは2倍捨てられる。
(3ゲーム目)
追加する役
6:大貧民だけ使える。枚数分捨て札から公開札に。誰かがあがったら使えない。
Q:枚数分次プレイヤーの手札を公開札にさせる。カットインは受け手が2倍公開。
(4ゲーム目)
追加する役
K:3枚につき1枚、全公開札の中から選んで奪える。カットインは2倍勝手に選んで受け手の公開札にさせられる。
A:3枚につき1枚、他のプレイヤーは各々手札の1枚を公開札にする。カットインは受け手が2倍公開札にさせられる。
5ゲーム目以降は戦略を練りに練って練馬区民の顔つきになりましょう!!!
以上、カットイン大富豪のすゝめ、でした。
細々とした補足
・カットインに関しては一章を、公開札と役に関しては二章を参照して欲しいです。
・やってみればわかりますが、革命が簡単に起こります。6枚以上の革命に追加効果が欲しくなったりします。(3の倍数革命など考えた時期もありました)
・4人の場合はJOKERを一枚ずつ配るのも面白いです。
・配布札の端数が気になる場合は、ブラインドカード(JOKER以外のカードを端数分ランダムに除くこと)を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
カットイン大富豪のすゝめ。二章
この記事は 一章(http://kokec.hatenablog.jp/entry/Daifu/first)の続きです。
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基本ルールのおさらい(ランクとスート)
・ランクの強さ
通常時
3→4→5→…→10→J→Q→K→A→2→JOKER→3♠︎
革命時
2→A→…→4→3→JOKER→3♠︎
・JOKER
スートとランクを宣言することで、そのカードとして扱うことができる。
・革命
1つのターンにカードを4枚以上出すことで、ランクの強さが逆転する
・複数出し
ペア:同じランクを2枚出すことで、そのフェイズ中はペアしか出せなくなる。
スリーカード:3枚バージョン
フォーカード以上:4枚以上バージョン、革命が起きる。
シークエンス:同じスートで3枚以上の連続したスートを出すことで、そのフェイズ中は同じ枚数のシークエンスしか出せなくなる。ランクの強さは最強どうしを比べる(3,4,⑤→4,5,⑥を認める)。
・縛り
ランク縛り:連続した数字が2枚続いた場合、1つ強いランクしか出せない。カットインされても一枚のカードとして扱う。シークエンス中は発生しない。
スート縛り:同じスートが2枚続いた場合、同じスートしか出せない。カットインでも発動する。
片縛り:ペアやスリーカードにおけるスート縛りは全て前と揃っていなくても、揃っている部分のみは発動する。
(4♠︎4♠︎4♣︎→"6♣︎"6♦︎6♦︎→"9♣︎""9♦︎"9❤︎→"J♣︎""J♦︎""J❤︎")
激縛り:ランク縛りとスート縛りは重複する。
(4♠︎→5♠︎なら6♠︎しか出せない)
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ルール開発その2(公開札)
大富豪はターンの移ろいが素早く、そのテンポこそこのゲームが愛されている所以といっても過言ではありません。
しかし手札が増えたこと、またカットインの登場により、本来の大富豪と比べてテンポが格段に遅くなりました。
「じゃあテンポを遅くしている原因にペナルティーを与えよう」
そうしてできたのが"公開札"というエリアです。
"札"とあるように手札の一部ではありますが、1度公開札となってしまったカードは、自分の前の卓上に表向きで置き、そのゲーム中公開されたままとなります。
公開札を対象とする役や、逆に対象から除かれる役も存在します。
公開される条件とは
・縛り無視など、誤ったカードを出してしまった。
・順番無視など、タイミングを誤った。
・後述のQピーピングをされた。
・都落ち後、大富豪が投了した。
・ゲームのカードを落としちゃった!!
また、自ら手札を公開札にすることもできます(メリットがあるとは思えませんが…)。
ちなみにこの公開札という制度、遅延への制裁という立場でありながら、存在を忘れたりシークエンスが崩れたりなどが影響し、さらに遅延を生みだすルールでもあります。
→ゆえに存在価値のあるルールであるとも言えます。
テンポの速さは各プレイヤーのプレイングに委ねることとします。
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ルール開発(役)
通常時のランク順に説明します。
[3]
・スペさん(トレイスペード)
2より強いカードとしてのJOKERに対して勝てるカードです。
・ダイヤさん(トレイダイヤ)
これを手にしているプレイヤーは1ゲーム目の最初のターンプレイヤーとなります。公開しなければ持っていることが分からないため、公開札となります。
2ゲーム目以降は大貧民から始めるのが一般的ですが、ダイヤさんを採用することもあります。
[4]
・4切り(よんぎり、ケイトフロー)
偶数枚の4を出すことで8切りと同じ効果(フロー)になります。
*カットイン 1枚や3枚に対するカットインなどでも発動します。カットインされた場合、次のターンプレイヤーはカットインした人になります。
[5]
・5スキップ(ごすきっぷ、シンクスキップ)
1枚:次のプレイヤーを飛ばし、2番目のプレイヤーにターンが移ります。
n枚:2n-1人分飛ばし、2n番目のプレイヤーにターンが移ります。
5スキップにより、1周以上のプレイヤーが飛ばされてしまった場合、フローになります。
*カットイン 枚数は合計値、効果はn枚を参照。フロー時の権利はカットインした人に移ります。
[6]
・6サルベージ(ろくさる、サイスサルベージ)
出した6の枚数だけ捨て札の中から選び、手札に加えることができる。大貧民のみ可能。誰かが上がってしまった場合、効果を失います。
*カットイン カットインされた場合、サルベージの権利を失う。
[7]
・7渡し(ななわたし、セブンフォース)
出した7の枚数だけ手札の中から選び、次のターンプレイヤーに押し付ける。可能な限り選ばないといけません。公開札を選ぶことはできません。
*カットイン カットインされた場合、場に出ている7の枚数だけカットインした人がカットインされた人に押し付ける。
[8]
・8切り(やぎり、エイトフロー)
そのフェイズを終了し、そのままターンプレイヤーとなり、次のフェイズに移行します(これをフローと言っていた)。
*カットイン カットインされた場合、ターンプレイヤーはカットインした人に移ります。
[9]
・9リバース(きゅうり、ナインリバース)
奇数枚の9を出すことでターンの移る方向を逆にします。(カットインも含め)偶数枚の場合、なにも起きません。
プレイヤーが2人の場合、8切りと同じ効果になります。
[10]
・10捨て(じゅっすて、テントラッシュ)
出した10の枚数だけ手札・公開札から選び、捨て札にする。可能な限り選ばないといけません。
*カットイン カットインされた場合、権利がカットインした人に移ります。捨てられる枚数は場に出ている10の合計枚数。
[J]
・Jバック(ジャックバック)
そのフェイズに限り、革命状態が反転します。複数枚でも効果は同じです。
*カットイン カットインされても、効果は同じです。
[Q]
・Qピーピング(きゅーぴー、クイーンピーピング)
出したQの枚数だけ、次のターンプレイヤーの手札から選び、公開札にさせる。
*カットイン カットインされた場合、場に出ているQの枚数だけ、カットインした人がカットインされた人の手札から選び、公開札にさせる。
[K]
・Kグリード(きんぐり、キンググリード)
すべてのプレイヤーの公開札の中から、出したKの枚数の3(2)枚につき1枚を選び公開札に加える。選ばないこともできます。
*カットイン カットインされた場合、カットインした人が全てのプレイヤーの公開札から場に出ているKの枚数の3(2)枚につき1枚を選び、カットインされた人の公開札にすることができます。カットイン宣言中に、求められた場合はカットインされた人は対象の宣言をしなければなりません。
[A]
・Aオープン(エースオープン)
出したAの枚数の3(2)枚につき1枚、他のプレイヤーは各々の手札から選び公開札にする。
*カットイン カットインした人はカットインされた人の手札から、場に出ているAの枚数の3(2)枚につき1枚を選び、公開札にさせる。
[2]
つよい。
1つ1つの役が、カットインによって複雑化されています。
1度に覚えるのは無理なので、何度かゲームをして1つずつ増やしていくことを強く推奨します。
これで追加ルールの説明はほぼ終わりました。
最後、三章にて手順などの説明も兼ねてできるだけ簡潔にまとめたものをあげたいと思います。
カットイン大富豪のすゝめ。一章
(「カットイン大富豪のすゝめ」は 三章構成です。)
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大富豪
大富豪というゲームを知っているだろうか?
そう4,5人が集まった時にすかさずトランプを取り出してやる、あの"大富豪"です。
そんな大富豪をやろうかなぁというのに、集まった人数は6,7人…そんな時にこう思ったことはありませんか?
「手札少なっ!!」
どうしても大富豪をやりたかったワタクシは脳内データベースをフル稼働させました。カタカタカタカタ、ピンポン!※A
「カードが足りないなら増やせばいいじゃない!」
そうしてワタクシはトランプを2セット使った大富豪をすることにしたのです。しかしながら、単純にそのまま大富豪をしては面白くないじゃない!※B であるところ。
折角、大富豪には"ローカルルール"というものが存在するのだから、独自にルールを作ってしまおう。そう決心したのであった…!
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ルール開発その1(カットイン)
大富豪の上がり方を見ていると、こんなことが多々あります。
ペア・スリーカード・シークエンス(階段)で数の暴力
↓
8切り
↓
最後のカード出して上がり。
JOKERゲーであることはさておいても、
実に8切りゲーです。
8切り許すまじ。
どうにかして目にモノを見せてやりたい。
しかしワタクシがやろうとしているのは普通の大富豪ではなく、トランプを2セットも使った大富豪です。
そうだ、同じマーク※1同じ数字※2のカードが2枚あるじゃないか!!
(以降、そのようなカードは"同じカード"と称する)
これをうまく使えば穏やかじゃない※X ルールにできるはず。
例えば、上がりそうな人の8切りに対して、別のプレイヤーが同じカードを出したら8切りの効果を奪える。そんなルールがあったらワクワクがとまんない!※Y だね。
とりあえずワタクシは、「同じカードを重ねる行為」を"カットイン"と名付けることにしたのです。
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カットインの掘り下げ
さて、「同じカードを重ねる行為」をカットインとしたわけですが、これだけでは定義と呼ぶには心もとないです…。
「誰」が「いつ」「どんな場合」にできるのかを明確にしましょう。
①カットインができるのは「誰」か
カットインをできるのは「全プレイヤー」とします。
「次のプレイヤーのみ」としなかったのは個人的な因縁、すなわち8切りへのヘイトです。
さておき、「カードを出したプレイヤー以外のプレイヤー」としなかったことに注目してください。
・1枚出しのフェイズ※3にて残り手札がペア2枚という状況で上がることができたり
・7♠︎7❤︎7♣︎を2枚ずつ持っている時に、スリーペアにカットインで出すことで革命を回避したり
と、「セルフカットイン」を認めると戦略が広がるのです!
②カットインができるのは「いつ」か
カットインを各ターン間にねじ込もうとすると、ターンプレイヤーvsカットインという順番争いが生まれてしまいますが、基本的には
「ターン→カットイン→次ターン」とします。
カットイン優先です。しかしながら、毎ターンこれを確認していてはテンポが悪くなってしまいますから、
・カットインを出すか考える場合は「カットイン考えます」と宣言する
・宣言後は他プレイヤーはカードを出してはいけない(出したら後述の"公開札"となる)
・宣言前に場に別のカードを重ねられた場合はカットインの権利を失う(パスは遡れる)
というルールが伴います。
もちろんターンプレイヤーがカットインの有無を聞くことは可能ですが、必要ではありません。
③カットインができるのは「どんな場合」か
発端であるところの1枚出しフェイズにおけるカットインに関しては、文字の意味通り「同じカードを出す」だけですから、問題ないとします。
では、複数枚の場合はどうでしょうか。
ここで、「場にある(=前ターンに出された)カードと同じカードを全て持っていること」
をカットインができる条件とします。
ちなみにJOKERはすべてのカードの代わりになるため、カード名を宣言した上でカットインに使えます。
それでは目的であったカットインの定義を。
「場にあるカードと同じカードを全て持っている時、順番に関係なく場に出すことができる。」
ところでカットインは8切りの権利を奪うと言いましたが、他の役の扱いについては次の記事でしたいと思います。(役の説明もしてないですしね)
→しました(http://kokec.hatenablog.jp/entry/Daifu/second)
カットインの説明も一通り済んだので、一章はこれにて終了!
※A あこちゃ
※B バローラ
※X きりあお
※Y ゆめちゃ
※1 マークのことをスートと言うそうです。
※2 数字のことをランクと言うそうです。普段ワタクシたちは「いち、に、…」と一部愛称で呼びますが、ランクの呼び名もちゃんと決まっていて「エース、デュース、トレイ、ケイト、シンク、サイス、セブン、エイト、ナイン、テン、ジャック、クイーン、キング」となります(6♣︎のことを「クラブのサイス」なんて言ってみたい)。ちなみにA〜6はダイスの呼び名に基づいているようです。
※3 カードを出してから各プレイヤーのターンを経て場が流れるまでの巡りをフェイズと(勝手に)呼んでいます。